神田明神大鳥居前

25.05.10

行列は神田明神の大鳥居前までやってきました。

神田明神を訪れた人々を最初に迎えるのが、「大鳥居」です。
この大鳥居は、まさに神域への門。ここをくぐる瞬間から、日常の喧騒を離れ、静かで厳かな神の世界へと足を踏み入れることになります。

神田明神は、天平2年(730年)に創建された、1300年近い歴史を誇る古社。
江戸時代には「江戸総鎮守」として徳川将軍家からも篤く崇敬され、江戸城の表鬼門を護る守り神としてまつられてきました。

現在の神田明神の社殿は昭和9年に再建されたもので、関東大震災後の復興を象徴する鉄筋コンクリート建築ですが、大鳥居もまたこの時代の流れをくみ、時代とともに姿を変えながら人々を見守ってきました。

この大鳥居の前では、鳳輦・神輿、諌鼓山車、獅子頭山車など、続々と参道を上がり、境内へ帰社していきます。
雅な装束をまとった人々や、華やかな山車、賑やかな木遣りの声が響き渡り、鳥居前はまるで江戸時代の再現劇のような風情に包まれます。

神田の歴史と文化を体感できる入り口として、この大鳥居は今も変わらず、訪れるすべての人々に“物語の始まり”を告げています。