
神幸祭の行列は大手町一丁目の将門塚に到着しました。
平将門公の首が葬られたと伝わるこの地では、現代、静かで厳粛な神事「奉幣の儀(ほうへいのぎ)」が執り行われています。
この奉幣の儀は、神田祭で行われる重要な神事のひとつで、神職や氏子総代らが参列し、将門公の御霊に対して幣帛(へいはく)を捧げ、祭礼の安全と地域の平安を祈願します。
そしてこの地は、実は約400年前、神田明神(神田神社)がかつて鎮座していた場所でもあります。 神田明神は江戸幕府開府にともない、現在の外神田の地へ移転しましたが、将門公の御霊はそのまま受け継がれ、今なお神田明神で三の宮として祀られています。
都会の真ん中とは思えないほど、奉幣の儀の場は厳かな静寂に包まれ、心が引き締まるような空気が漂います。
目立った喧噪もない中で行われる儀式は、将門公への深い信仰と、今に続く神田の歴史を静かに物語っているようです。
神田祭の華やかさの裏にある、こうした古き神事へのまなざしも、祭をより深く味わううえで欠かせない一面です。
将門塚での奉幣の儀は、まさにその象徴といえるでしょう。
また、将門塚では、将門塚保存会 平野徳子会長によります献饌が執り行われました。
将門塚保存会【まさかどづかほぞんかい】は、この地域に所在する企業・団体及び商店等を会員として、
平将門公の御霊【みたま】を慰め、その遺跡である将門塚を保護・維持することを目的に昭和32年に設立されました。
令和5年に「一社社団法人」となり、将門塚の保全と社会貢献を目的としております。
東京・大手町の一角に佇む「将門塚(まさかどづか)」。
高層ビルに囲まれたこの静かな場所には、今もなお平将門公の霊が祀られ、訪れる人々に敬意をもって手を合わせさせる不思議な力があります。
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