両国旧御仮屋到着

25.05.10

神幸祭の行列は両国旧御仮屋(現在の東京別院・薬研堀不動院)に到着しました。

こちらでは、渡辺秀次総代によります献饌が行われました。

ここは日本橋・両国広小路(当時・日本橋区両国米沢町)に作られた御仮屋のあった場所です。
両国の街なかにひっそりと佇む「薬研堀不動院(東京別院)」は、かつての「成田山御仮屋(おかりや)」としての歴史を持つ、由緒ある信仰の地です。

「御仮屋(おかりや)」とは、神輿が一時的にとどまる場所、つまり神様が仮に鎮座する“中継地”を意味し、祭礼時に臨時に設けられる建造物のこと。
江戸時代、この地には成田山新勝寺の不動明王を祀る御仮屋が設けられ、出開帳が行われるたびに大勢の参詣者でにぎわいました。
当時の御仮屋は、職人たちの技の粋を集めた豪華で荘厳な建築で、まるで仮のものとは思えぬほど立派な造りだったと伝えられています。
まさに、江戸の祭り文化と信仰の象徴でもありました。

明治に入り、ここは「成田山 東京別院 薬研堀不動院」として正式に寺院化され、現在も地域に根ざした祈りの場として親しまれています。
年末には縁日「歳の市」が立ち、多くの参詣者でにぎわうなど、今も江戸庶民の信仰の名残を感じられる場所となっています。
大通りから少し奥まった静かな場所にありながら、そこには江戸と現代をつなぐ信仰の時間が、静かに流れています。

この両国旧御仮屋にて、昼御饌(ひるみけ)の儀が斎行されました。
また、併せて渡邊秀次総代によります献饌が行われました。

ここで午前の部は終了です。
昼食休憩をはさみ、出発します。