山本海苔店前

25.05.10

山本海苔店前では、山本𣳾人総代によります献饌が執り行われました。

行列が通過しているのは、日本を代表する歴史ある地「日本橋」。
江戸時代の幕開けとともに、1603年に初代の日本橋が架けられ、東海道・中山道・甲州街道・日光街道・奥州街道の五街道の起点として、日本中から物資や人々が集まり、まさに「江戸の玄関口」として繁栄を極めました。

現在の日本橋は、1911年(明治44年)に完成した石造りのアーチ橋で、国の重要文化財にも指定されています。
橋の中央には「日本国道路元標」が設置され、ここを基準として全国の道路が測られています。
いわば、日本橋は今もなお「日本の起点」としての役割を果たしているのです。

かつて、日本橋には日本を代表する魚市場、いわゆる「日本橋魚河岸」が存在しました。
江戸時代から明治・大正にかけて、江戸・東京の食文化を支える台所としてにぎわいを見せていました。
その後、関東大震災や都市整備の影響で魚河岸は築地へ、そして現在は豊洲へと場所を変えましたが、その由緒ある歴史は今も人々の記憶に刻まれています。

この由縁から、神田明神の境内には「魚河岸水神社(うおがしすいじんじゃ)」が祀られており、築地魚河岸会の方々が今でも参拝に訪れ、商売繁昌と安全を祈願しています。
江戸時代から続く市場文化と信仰の深いつながりを感じさせる場所です。

さらに日本橋の周辺には、老舗の和菓子店や呉服屋、筆屋などが軒を連ね、江戸の情緒を色濃く残しています。
一方で、再開発が進む街並みには高層ビルや現代的な商業施設も建ち並び、伝統と革新が見事に融合しています。

かつての旅人たちが歩いた道、商人たちが賑わった市場、そして今も多くの人々が行き交う街・日本橋。時代を超えて愛されるこの場所には、日本の歩みと未来が凝縮されています。

江戸から現代へ、変わらぬにぎわいと誇りを胸に、日本橋を歩いてみてはいかがでしょうか。